この記事は、2023年9月18日ヤフーニュースで掲載されていた記事「リビア東部の大規模洪水被害」に関して、気になったことを深堀してみました。
リビア東部で発生した大規模洪水による被害に関して、少しでも読まれた方が興味を持ってくれると嬉しいです。参考にしたサイトはすべてソースを貼り付けるためにご自身でも確認をしてみてください。
●ニュースの内容
リビア東部で発生した大規模な洪水について報告しています。
洪水は特にデルナという都市で甚大な被害をもたらしました。
世界保健機関(WHO)とリビア赤新月社(赤十字に相当)によれば、約4,000人の遺体が確認され、約9,000人が行方不明で、死者数は1万1000人以上に上る可能性があります。この地域は2011年の内戦以降、インフラが荒廃しており、早期警報システムも不十分だったとされています。
洪水で2200棟以上の建物が冠水し、市街地の30%が壊滅。
人員や機材が不足しており、暑さと感染症の拡大が懸念されています。
デルナを含む東部地域で約90万人が被災し、3万8000人以上が避難生活を余儀なくされています。
WHOと国連児童基金(ユニセフ)は、特に生存者と子供たちに対する感染症のリスクと心理的サポートの必要性に警鐘を鳴らしています。
このニュースで気になったことは大きく三つです。
1 リビアはどんな国?どんな社会問題がある?
2 今回の洪水でなぜここまで被害が広がっているの?
3 私たちに今できることは?
1 リビアはどんな国?どんな社会問題がある?
ここでは、リビアという国がどのようななっているのか?
そして、生活や社会情勢などについて紹介していきたいと思います。
リビアはどんな国?
リビアは北アフリカに位置する共和制国家で、首都はトリポリです。
国はアフリカ連合、アラブ連盟、アラブ・マグレブ連合に加盟しており、主要な宗教はイスラム教(スンナ派)です。
人口は約690万人(2016年統計より)で言語はアラビア語が主に使われています。面積は1,759,540km2あり、日本の面積は378,000km2のため、日本の4倍以上の広大な広さです。
国名は歴史的に何度も変わっており、2011年の内戦以降は「リビア国(State of Libya)」となっていますが、一般的には単に「リビア」と呼ばれています。
政治的には、リビアは長い内戦と政治的混乱の歴史を有しています。
2015年にはリビア統一政権の樹立が試みられましたが、成功には至らなかった。
2019年には、東部のベンガジを支配するハリファ・ハフタル将軍が首都トリポリに進撃を開始し、国際的な緊張が高まりました。
2020年と2021年には、停戦と統一政府の設立に向けた進展がありました。
国名は古代ギリシャ語の「Libya」に由来し、この名前はかつてはアフリカ大陸全体を指す場合もありましたが、現在はそうは呼ばれていません。
地理的には、リビアはトリポリタニア(北西部)、バルカまたはキュレナイカ(北東部)、フェザーン(南部)という3つの主要な地域に分かれています。
どんな社会問題がある?
リビアは多様な歴史と複雑な政治的変遷を経ていますが、それらが現代における社会的な問題点の根底にある。イタリア植民地時代、王政時代、カッザーフィー政権、そして最近の内戦と政権交代は、政治不安、民族と地域間の対立、経済的不平等を生んでいます。
イタリア植民地時代と連合軍占領
リビアはかつてイタリアの植民地でした。第二次世界大戦中、連合軍と枢軸国が北アフリカで激闘を繰り広げ、最終的に連合軍がリビアを占領しました。この時期についての一つのエピソードとして、エル・アラメインの戦いがあります。ここで枢軸軍が敗退すると、リビアはイギリスとフランスによる共同統治下に置かれました。この期間がリビアに民族と地域の対立の種をまいたとされています。
王政時代
1949年に国連によってリビアの独立が決議され、1951年に連合王国として独立しました。国王には、キレナイカ地方出身のイドリース1世が即位。この時代、リビアは石油開発により貿易収支が改善されましたが、その富は大多数の人々に還元されず、社会的な不平等が高まっていきました。特に記憶に残るエピソードは、石油開發が進んでも一般市民の生活が大きく改善されなかった点です。
カッザーフィー政権
1969年に27歳のムアンマル・アル=カッザーフィーがクーデターで政権を掌握。カッザーフィー政権下でリビアは多くのテロ事件を支援し、国際社会との対立を深めました。その中でも、パンアメリカン航空103便爆破事件は大きな国際問題となり、経済制裁が科せられました。これによってリビア経済は衰退し、国民の不満が高まりました。
内戦と政権交代
2011年に発生した大規模な反政府デモは事実上の内戦に発展。最終的には欧米諸国の軍事介入によってカッザーフィー政権は崩壊しました。これが最も衝撃的なエピソードで、今なおリビアはその影響を受けています。
まとめ
これらの歴史的背景とエピソードを通じて、リビアの社会的問題が多角的で根深いことがわかります。不安定な政治、地域と民族の対立、そして経済的な不平等が続く限り、リビアが真の安定と繁栄を享受することは難しいでしょう。
2 今回の洪水でなぜここまで被害が広がっているの?
リビア東部で10日からの豪雨による大規模な洪水が発生し、複数のダムが決壊したことで、洪水によって市街地の住宅が押し流され、壁や柱が倒れるなどの大きな被害が出ました。
特にデルナ地域では、5,300人以上が死亡し、数千人が行方不明となっています。
現在、近隣国からの救助隊が派遣され、生存者の捜索作業が行われているとの報告があります。今後も犠牲者が増える可能性が高いとされています。
ダムはそもそもすぐ決壊するものなの?
今回リビアで決壊した大きなダムは二つ。
ダム自体は20年以上前に作られたものでしたが、保守管理が内戦の影響でそれ以降行われておらず、今回の悲劇につながったと報じられています。
3 私たちに今できることは?
ユニセフでは、今回の大洪水に対する基金を作り活動を始めているようです。
気になった方は、ご覧ください
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